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デザイン・レイアウトを考える

オフィスが狭い!限られた空間を活用できるレイアウトのコツ

小規模なオフィスですと、一人当たりの面積が狭いとか、人が近くにいて集中できないという不満が出がちです。オフィスの環境は仕事の効率を左右しますから、どうにかオフィスレイアウトを変更したいと思っても小さなオフィスでは難しいでしょう。

しかしオフィスの移転には費用がかかりますから、広いところへ移転したいと思っても簡単にはできないものです。

だからこそ、限られた面積の中で少しでも快適に仕事ができる工夫が必要です。

どうすれば狭いオフィスでも働く人が快適に感じられる環境を作ることができるのか、オフィスレイアウトの工夫についてお話しします。

狭いオフィスは最初に必要なスペースを洗い出す

使える場所が限られているので、まずは全体でどのくらいのスペースがあり、そこにどのようなスペースを収めなくてはいけないのか、自社に必要なスペースを洗い出します。

他の会社にはあっても自社に必要のないものもありますし、その逆もあるはずです。最低限必要なスペースを洗い出してください。

執務スペース

当然ですが執務スペースが必要ですね。オフィスの6割くらいを占める重要な部分です。

執務スペース全体の広さとスタッフの人数から、1人当たりどのくらいのスペースが必要なのかを洗い出します。

一般的には1人当たり2〜3坪必要だといわれていますが、仕事の内容によっても違ってくるでしょう。

例えば1日パソコンで書類仕事をしているような人であれば、標準的なサイズのデスク(幅1200mm、奥行き700mm)がいいですね。コピーをとったり、ファイルを取りに行ったり、歩きまわることも多いでしょうから、広さは3坪くらい欲しいところです。

しかし営業職であまり席にいない、戻ってきたときはノートパソコンを使って報告書を作る、という人であれば、そもそも大きなデスクは必要ありません。

奥行き600mmくらいのコンパクトなデスクでも十分でしょうし、そもそも席にいないから2坪くらいあれば事足りるのではないでしょうか。

このようにして一人当たりに必要な面積を割り出して人数をかければ、執務スペースを割り出すことができます。

十分な通路の確保

仕事をするスペースと一緒に忘れてはいけないのが通路の確保です。一人当たりのスペースを広く取りすぎると、歩くところが狭くなってしまいます。

執務スペースを考えるときにはデスクをどの位置に置くかということがとても大事で、置き方しだいで通路の幅が違ってきます。

一人当たりのスペースを十分確保しつつ、通路の広さも確保するにはどうやってデスクを置けばいいか、色々と検討してみましょう。

来客スペース

来客の数によって、どのくらいのスペースが必要かを考えます。

例えば、こちらから伺っていくことが多くて、自社にお客様が来るというパターンがそれほどないのであれば、あえて来客スペースを取らないという方法もあるからです。

近くのカフェが利用できるならそれでもいいし、打ち合わせ用にコワーキングスペースを借りるのもいいでしょう。お客様との打ち合わせのペースによって考えてみてください。

来客が多い場合は、狭いオフィスであっても応接スペースを確保しましょう。動線を考えると、できればエントランスの近くがいいですね。

打ち合わせが頻繁にあるなら、お客様同士が鉢合わせしないように、待合スペースとミーティングスペースと分けて作ったほうがいいかもしれません。

ミーティングスペース

個人の執務スペースとは別に、ミーティングをするための場所も必要になります。ただ、狭いオフィスだと別に部屋を作ることが難しい場合もあります。

それならば、

  • パーテーションで区切る
  • 執務スペースの中に大きなミーティング用のテーブルを置く
  • ファミレス席を作る

などの工夫をしてみましょう。

機密性の高い話をするのでなければ、余っている空間を上手に使うことでミーティングスペースを作ることができます。

収納スペース

オフィスではどうしても書類が増えがちですが、狭いオフィスでは溢れる書類をどう収納するかも問題になります。

それらの書類を共用のキャビネットに入れるのか、個人のデスクの収納に入れるのか、という仕分けが重要になってきます。
  • 共用の書類は個人でもたない
  • 定期的に棚卸をして不要な書類を捨てていく

などの工夫をしながら、出来るだけ収納スペースを小さくするようにします。

とりあえず図面上で確認をする

計画したスペースが本当にオフィスの中に収まるか、図面上で確認をしてください。

デスク以外にもコピー機やキャビネットなど必要なものを図面の上に配置してみて、

  • 座るときにきちんと椅子を引けるスペースがあるか
  • 通路の幅は確保できているか

など、窮屈でないかを調べてみるのです。

ここにこれを置くと動線が不便だな、など気づくことが色々あるでしょう。

どこに何を置くということを図面上でしっかり確認をしておくと引っ越し作業もスムーズになります。

狭いオフィスにおすすめのレイアウト

必要なスペースの洗い出しができたら、どうレイアウトすれば狭いオフィスでも広く使うことができるか、ということを考えていきましょう。

本当に必要なスペースだけにする

最初は必要だと思ったけれど、よく考えてみたら必要ないのでは?というスペースがないか、もう一度考え直してみてください。

例えば、当たり前のように会議室を作ってみようと思ったけれど、そんなに頻繁に会議をしていなかったということはないでしょうか。

会議というよりも、ちょっとしたミーティングスペースがあれば事足りるかもしれないし、リフレッシュスペースでコーヒーでも飲みながら話した方がいいということもあるでしょう。

常識にとらわれず、自分たちが何を必要としているかということをよく考え抜くことが大切です。

パーテーションをうまく使う

狭いオフィスでは壁を作ってしまうと圧迫感があるので、パーテーションをうまく使ってエリアを分けましょう。

その際、天井まで届くほどの高いパーテーションを使うと消防法との関係で面倒なこともありますので、可動式の背の低いパーテーションを使うのがおすすめです。

必要がないときにはしまっておいて空間を広く使えばいいですし、ミーティングをするときには部屋を仕切って使うなど臨機応変にオフィスのレイアウトを変えることができます。

給湯スペース

狭いオフィスだと執務スペースの中にキッチンが備え付けられていることもあるでしょう。キッチンが丸見えになっていると生活感が出てしまいます。

ここもパーテーションで隠すなどして見えない工夫をした方がいいですね。

もしくは、いっそのことデザインにこだわった椅子やテーブルを置いて、おしゃれなカフェ風に演出してしまうという方法もおすすめです。

お菓子や雑誌などを置いてマグネットスペース(人が自然に集まるスペース)にしてしまってもいいでしょう。

ちょっとした打ち合わせなら給湯スペースでできるようにしてしまうのです。なんとなく人が集まるスペースになると、それで仕事が捗るようになるかもしれません。

ミーティングスペースとカフェスペースを兼用

狭い空間を効率的に使うために、カフェスペース(リフレッシュスペース)とミーティングスペースを一緒にしてしまうというのも一つの方法です。

少人数の会社であれば、コーヒーでも飲みながらミーティングをした方が議論が活発になっていいアイデアも浮かんでくるでしょう。

フリーアドレスを導入

在席率の低いオフィスであれば、個別のデスクは置かずにフリーアドレス用のデスクを置いて狭い空間を有効利用しましょう。

席についている時間が短いのに一人一人のデスクを置いておくことは、スペースの無駄になります。

中で働いている人はその日の気分に合わせて好きな場所に座れるので、気分転換ができて仕事もはかどるかもしれないですよ。

大きなテーブルをみんなで使う

大きなテーブルを置いてみんなで一緒に使うという方法もありです。フリーアドレスと似ていますが、一応座る場所は決まっているというのが違います。

その代わりといってはなんですが、引き出しなどの個人の収納はデスク周りに置きません。

あくまでもここは業務を行う場所としてのテーブルであり、収納は別の場所にします。

こうすると一人ずつデスクを置くよりは省スペース化ができます。

小さなPCで場所を取らないデスクにする

昔のパソコンはモニターも大きかったですが、最近はどんどん小型化しています。

小さくても性能は高いので、一回り小さなパソコンに買い替え、その大きさに見合ったコンパクトなデスクにすると、一人当たりのスペースを小さくすることができます。

デスクの位置を工夫する

デスクは大きさも大事ですが、置き方も重要です。置き方次第でスペースの使い方が変わってくるからです。

執務スペースの形が長方形なのか、正方形なのか、変則的な形なのかで、どこにデスクを配置することがスペースを有効利用できるか、パズルのようにして考えます。
  • 壁に向いてデスクを置き、お互いが背を向けて座る
  • 向かい合わせにデスクを置く

など、図面上で色々試して下さい。

1つのスペースに複数の使い道を持たせる

狭いオフィスでは空間をどう有効利用するかが大事なので、1つ1つのスペースが常に独立している必要はないのです。

カフェスペースは、ミーティングもできるようにしておけば来客用のスペースとしても使えます。

執務室内にフリースペースとしてテーブルを置いておき、ミーティングをしてもいいし、作業をしてもいいし、パーテーションで区切って応接スペースにするなど、1つの空間にどうやって複数の役割を持たせられるかを考えてみてください。

このようにすれば、せっかく作ったスペースが日中使われていないという無駄をなくすことができるのです。

デッドスペースをとことん活用

オフィス内で使えるスペースは床だけではありません。頭の上にある空間も上手に無駄なく使いましょう。

天井の高さがある程度あるなら、背の高い棚を使うことで収納スペースを増やすことができます。

執務スペースの空いている壁にホワイトボードやスクリーンをかけて、会議もできるようにしてしまうという方法もあります。

部屋全体を見渡して、「この空間は使えないか?」ということを考えてみてください。

壁紙と家具の色を明るくして広く見せる

オフィスの色使いも、空間を広く見せる工夫の一つです。

一般的に白っぽい色は膨張色ですから広く見えるわけですね。

  • 壁紙
  • 天井

を白っぽい色にするだけでもかなり奥行きを感じるようになります。

また、オフィス家具も重要です。

デスクはグレーのものを使っているところが多いと思いますが、白っぽい色を選んだり、木製の家具を置いてみます。

そして照明を明るくしたり数を増やしたりすると、家具や壁紙が光を反射して空間に広がりを感じるようになり、狭いオフィスでも広く感じます。

紙を減らして収納を小さくする工夫も

PDFなどデータ化できる書類はどんどん捨てていきましょう。収納スペースを減らすことができたら、その分オフィスを広く使えます。

経理関係の書類など、どうしても紙で保管が必要なもの以外は、極力データ化していきます。

データで保存しておけばなくす心配もなくなります。

電源の場所にも注意する

オフィスを機能的かつ快適に使うには、電源の場所が意外と大事です。

ここにパソコンとデスクを置こうと思ったのに電源が遠いとなると、延長コードが必要になりますよね。

キャビネットを置こうと思ったところに電源があると、せっかく使える電源を1つ潰してしまうことになります。

そんなことのないように、入居する前に電源の場所を確認し、後々のレイアウト変更も可能性も考慮して多めに設置しておくことをおすすめします。

狭いオフィスでは女性スタッフへの配慮を忘れずに!

狭いオフィスですとみんなが共有して使う場所が多くなります。この時に、女性スタッフへの配慮を忘れないでください。

女性はトイレが男性と共用だと落ち着いて身支度もできませんし、着替える場所などが欲しいと思うこともあるでしょう。

レイアウトを固める前に、女性スタッフにも意見をきちんと聞いて、どのような配慮が必要かを考えてみてください。

今後人数が増えることも念頭に置いてレイアウトを考える

今考えたレイアウトがずっと続くとは限りません。

人数が増えた時にデスクを増やす余裕があるか、ない場合にはどのように対応するのか、臨機応変に変更できるようなレイアウトを考えることが大切です。

どのくらい、空間を確保しておけるかということです。

  • 紙類は極力捨てる
  • デスクやコピー機などはコンパクトなものにする
  • パソコンをデスクトップではなくてノート型にする

など、縮小できるところはないかを考えます。

小さくできるところを小さくしておけば、今は一人当たりのスペースが広くなって快適に使えますし、今後人数が増えた時にも対応しやすくなるでしょう。

人数と面積に応じて狭いオフィスでも快適に使える工夫を!

オフィスの面積が狭くても快適に使えるかどうかは工夫次第です。

狭いオフィスなら他のオフィスと同様にスペースを考えるのではなく、自分たちの仕事の内容に合わせて考えることが必要になってきます。

どうやって空間を確保していくかを考え、無駄を削ぎ落として必要最低限のもので仕事をする工夫をしていくことは、業務の無駄を省くことにもつながるのではないでしょうか。

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