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デザイン・レイアウトを考える

快適で効率的なオフィスレイアウトを作るコツの基本を押さえよう

オフィスはなんとなくデスクや棚を配置しただけでは、快適な空間にはなりません。

社員が1日過ごす場所ですから、快適で、かつ効率的に仕事ができるようなレイアウトが望ましいでしょう。

ではどのようにすればいいのか、まずはオフィスレイアウトの基本を押さえ、オフィスの大きさや形によってどう工夫していくかということについて説明します。

人が増えたり、オフィスを移転する時にはもちろん、模様替えして快適な空間にしたい!と思った時にも是非参考にしてください。

オフィスレイアウト、基本の3タイプを押さえておこう

オフィスレイアウトには、基本となる形があります。大きく分けて3つあるので、どのようなタイプなのか見てみましょう。

コリドールタイプ
コリドールタイプとは真ん中にメインの通路がありその脇に各部署の部屋を配置する形です。複数の部屋を配置しますが個室が多く、研究所や役員室、会議室などの配置によく使われます。
オープンタイプ
オープンタイプとは比較的大きな企業の事務室などで見られるレイアウトです。部門ごとにデスクを配置し、時にはパーティションなどで区切ります。全体を見回すことはできますが壁があるわけではないので比較的オープンな雰囲気で仕事ができます。
オフィスランドタイプ
オープンタイプの一つで、各島ごとの 区切りがなく 、部署や部門を区切らずにディスクを配置していることもあります。自由度が高い配置なので部屋全体を見通すことができます。デザイン会社や IT企業などでよく使われるレイアウトです。

まずは執務室をどのような形にするのかを考えてから、中身を考えていきます。

オフィスレイアウトを考える基本的な手順

オフィスレイアウトを考えるには手順があります。

  1. コンセプトの決定:オフィスのイメージを決めます。
  2. スペースの算出:各エリアに必要な面積を算出します。
  3. ゾーニング:どこにどの部署を配置するかどんなエリアを作るか考えます。
  4. 動線計画:スムーズに移動できる動線を考えます。
  5. インテリアなど:スペースの配置が決まったらその内部の詳細を考えます。

では次の章からこの手順に従って実際にオフィスレイアウトを考えていきましょう。

オフィスレイアウトの基本:コンセプトを考える

オフィスレイアウトの要となるコンセプトを考えます。

どのようなイメージのオフィスにしたいのか、実際に働く社員に十分なヒアリングをしましょう。

様々な意見を出してもらい、「こんなところで働きたい」というオフィスのイメージを固めていきます。

働きやすさはもちろんのこと自社のイメージとあったコンセプトを考えることが大切です。

担当する仕事によって忙しい時間帯が違ったり働く人の年代によって快適だと感じるイメージに違いもあるでしょう。

その会社によって状況は違うので、自分の会社のワークスタイルに合わせることが大切です。

開放的な空間を作る

明るく開放的な空間を作って社員が働きやすい環境にしたいという場合は窓を大きくし自然光が入るような配置にします。

背の高い棚などを置かないようにすると空間がたっぷり取れるので全体的に広く開放的に感じます。

また、執務室以外にリフレッシュスペースを作ったりするのもいいでしょう。

オープンな雰囲気のオフィスにする

年齢に関係なくオープンな雰囲気の中で仕事をしたい場合にはパーテーションなどを使わず、各デスクを行き来しやすいようなレイアウトにします。

仕切りがないとプライバシーがないと感じる人もいるかもしれませんが、社員同士のコミュニケーションは取りやすくなります。

ミーティングが多い部署や企画、アイディア出しなどを頻繁にするところはオープンな方がいいですね。

営業職など出入りが多い職種の場合は個人の席を決めないフリーアドレスなどもおすすめです。

クリエイティブな作業に適したオフィスを作る

デザイン事務所などクリエイティブな仕事をする場合には、プライバシーの確保や集中できる環境が必要です。

デスクトップパソコンを置きながらノートパソコンやタブレットなどでも作業できるような広めのデスクが置けるレイアウトがおすすめです。

業務の効率を考えるのが最重要

それまでは単に机を置けるかどうか人が歩けるかどうかというような考え方のレイアウトが多かったのですが最近では働きやすさを重視するレイアウトが必要とされています。

例えば部署同士のミーティングは頻繁に行われる会社ではお互いの島の行き来がスムーズであることが大切です。しかしレイアウトによっては、あっちに行くのが少し面倒んだなと感じてフットワークが重くなってしまうこともあるでしょう。

今業務の効率が悪いと感じているところがあれば、レイアウトを工夫するだけでも改善されるかもしれません。

ですから、レイアウトを考える前にまず現状の問題点を洗い出してみましょう。

その上でここがこうなったらもっとお仕事がスムーズに行くのにという点を頭においてレイアウトを考えていきます。

オフィスレイアウトの基本:快適な空間づくり

それでは、社員にとって快適な空間とはどのようなものでしょうか。

仕事をする上で動きに無駄がないこと、動いた時にストレスを感じない空間づくりが大切です。

必要なスペースを考える

執務室は出来るだけ広く、余裕があるほうが仕事がしやすいものです。

デスクも広いほうが仕事はしやすいですし、そうなると人数によって部屋の広さも決まってくるでしょう。

働く人が快適に過ごせる広さとはどのくらいなのかということを考え、それに応じて執務室の面積などを確保していくのです。

社員のモチベーションを上げる空間づくり

大切なのは事務室の内部だけではありません。

全体の環境づくり快適な空間づくりのためには、社員のやる気をアップさせるようなデザインやレイアウトが必要です。

適度に休憩ができるようにリフレッシュスペースを設置したり、明るいけれども目に優しい照明を選んだり、もうひと頑張りしようと思えるような環境に配慮しましょう。

オフィスレイアウトの基本:業務効率を左右する重要なゾーニング

オフィスには執務室以外にも

  • 社長室、役員専用スペース
  • 応接室
  • 会議室
  • 給湯室
  • セキュリティゾーン
  • 文書保管スペース
  • ロッカーなどのプライベートスペース
  • リフレッシュエリア
  • 通路や廊下

など様々なエリアがあります。

これらのエリアをオフィス全体でどのように配置するのかそしてスペースをどのように配分するのかを考えることをゾーニングと言います。

このゾーニングはその後の動線計画などにも大きな影響を与えるので最初にきっちりと考えておくことが大切です。

業務の効率を考える

どこにどんなスペースを配置するか、それには業務の効率を第一に考えます。

  • 仕事の上で関連性の高い部署は近くに配置をする
  • コピー機などみんなが使う機械はみんなが使いやすい場所に配置する
  • 会議室やミーティングをする場所は集まりやすい場所にする

など業務の効率を考えてスペースを割り当てるのです。

例えばミーティングスペースなどは社内だけでなくお客様を交えた打ち合わせなどでも使用することがあります。

その際は玄関や応接室などからミーティングスペースへストレスなく移動できるかどうか、そのようなことも考えて配置をしていきます。

配分を決めて配置する

大体のゾーンを考えたらスペースの割合も決めていきます。

オフィス全体を100とした場合、執務室はおよそ6割を占めるのが普通です。

それ以外の部分は必要性の高い順にスペースを割り出し、配置を考えていきましょう。

オフィスの通路、余白を確保する動線計画

ゾーニングに続いて大切なのが動線計画です。

動線とは人が動く経路のことですが、広すぎず狭すぎずスムーズに動ける広さが必要ですし、無駄な動きがないような経路を考えることが大切です。

例えばコピーを取りに行く時に、課長の後ろを通って行かなければいけないというような経路ではとても不便ですよね。

また、行き止まりがないようにすることも大切です。渋滞の原因となり人の行き来がスムーズでなくなります。

こういった時間のロスが業務を非効率にさせるので、働く人がストレスなく動ける動線計画を立てましょう。

通路の確保

人の体の幅はおよそ45cmを基準として考えられており、1人が通れる通路の幅は余白を考えて60cmが基準になります。

通路は人がすれ違いますから、最低でも120cm、できれば150cm前後は欲しいところです。デスク周りの通路の幅も、人がすれ違うことを考慮した幅を確保しましょう。

余白部分が大事

人がすれ違うことができる幅120cmというのは、最低それだけあればすれ違うことできるというだけのことで、体の大きい人などは少し狭く感じるかもしれません。

また、1人あたりのスペースも2〜3坪は必要であるといわれています。オフィスの面積と社員の人数から割り出してみたときに、2坪を割るようだと狭いと感じるでしょう。

動線を考える時は、単に動けるかどうかだけではなく、人がストレスを感じない余白の空間があるかどうかを考えることも大事なのです。

最後にインテリアなど細かいところを決めていく

コンセプトを決めて、必要なゾーニング、動線計画を立てて具体的なスペースの配置が全て決まったところで、最後にインテリアなど細かいことを決めていきます。

最初から「こんなインテリアがいい!」と中身ありきで考えてしまうとうまくいかないので、ここは最後に考えるポイントです。

オフィスレイアウトの工夫:オフィスに合わせて臨機応変に

執務室内のデスクなどの配置を決めるには、どのような業務を行なっているのか、社員の働き方に合わせて考えていくことが大切です。

レイアウトのパターンはいろいろありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。自社の働き方に最もあうものを見つけましょう。

対向式のレイアウト

対向式は最も多くみられるレイアウトですね。関連するグループやチームごとに、向き合ってデスクを配置します。

デスクが隣接しているのでスペースをそれほど取らずにデスクを配置することが可能ですし、LANケーブルなどの配線も容易です。

グループ同士で話をしやすいというのもメリットの一つでしょう。ただし、正面や隣の人との距離が近いので、プライバシーは確保しづらいレイアウトです。

そのデメリットを補うためにパーティションで前面や側面を区切り、プライバシー性を高めた「ニュー対向式」を取り入れているオフィスもあります。

同向式のレイアウト

同向式とは、例えば銀行の窓口のように座っている人たちが皆同じ方向を向いているレイアウトのことです。

あまり一般的には見られませんが、店舗や秘書室などで行われている配置です。

隣に人がいるのでコミュニケーションは取れますし、かつ、皆同じ方向を向いているので、プライバシーも確保できます。

ただしスペースの効率は良くないので、あまり採用はされていません。

スクール式レイアウト

スクール式とは、学校の席のようにみんなが同じ方向を向いているレイアウトです。

学生時代の教室を思い浮かべてもらえばわかりますが、一人一人の席は独立しているので集中して仕事ができるでしょう。

ただし、配線などが複雑になるので、工事の費用がかさむ可能性があります。

左右対向式レイアウト

隣同士のデスクが、同じ方向を向くのではなくて、逆を向いています。

プライバシーは確保できるので、クリエイティブな仕事に向いているレイアウトです。

ただし、コミュニケーションは取りづらいので、ミーティングスペースなどを別に確保して、やりとりしやすい工夫が必要です。

背面型レイアウト

背中合わせに座り、正面はパーティションで仕切られています。

集中して作業ができるので、これもクリエイティブな仕事には向いています。通路も一つで済むので省スペースなレイアウトです。

ただし、管理者が全体を見渡しにくい、個々の仕事を把握しづらいというデメリットもあります。

フリーアドレス

営業職など自席に座っている時間が短い人たちは、フリーアドレスにして好きな席に座るというレイアウトもおすすめです。

席だけ配置しておけばいいので省スペース化につながるというメリットがある反面、自分のデスクとして固定されていないので人によっては集中しづらいというデメリットがあります。

また、どこに誰が座って仕事をしているかをその都度把握する必要があるので、チームのマネジメントなども考え直す必要があるでしょう。

社員の命を守るために災害対策もしっかりと

オフィスレイアウトの応用部分になってきますが、セキュリティだけでなく社員の安全対策もしっかりと考えておきたいものです。

地震対策

日本は地震国ですから、大きな揺れが来た時に棚などが倒れて下敷きにならないよう、地震対策をきっちりとしておく必要があります。

オフィス家具はスチール製で重いものが多いですし、大量の文書が入っていればかなりの重量になります。倒れてけがをしないよう、固定することが大切です。
  • 床は滑りにくい素材にする
  • 通路に物を置かない

などの対策も必要です。

火災対策

オフィスの火災対策は法令で決まっていますが、それ以外にも被害をできるだけ少なくするような対策をとりましょう。

例えば、ソファやパーティションなど布製のものに火が燃え移ればあっという間に火が燃え拡がります。

延焼を防ぐためにも、防炎素材でできた製品を選ぶということも考えてみてください。

また、避難時にけがをしないよう、ヘルメットや軍手なども全員がわかりやすい場所に保管しておき、いざという時にいつでも使えるようにしておくことが必要です。

快適なオフィスレイアウトは綿密な計画から

なんとなくここに机を置いて、棚を置いて、とサイズだけでレイアウトを考えてしまうと、思いの外使い勝手が悪かったと後悔することになります。

移転などオフィスレイアウトを変えようと思った契機があるはずなので、これまでの問題点をよく考え、働く人が快適に過ごすにはどうすればいいか、ゾーニングや動線計画を綿密に考えたいものです。

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