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良いオフィス選びのポイントは天井高!環境が作業効率を左右する

オフィスを選ぶとき、面積の広さばかりに目がいきがちですが、意外と大事なのが天井高です。

多少広くても天井が高いとなんだか圧迫感がありますし、逆に狭くても天井が高ければ開放感があります。

ですから、オフィスを選ぶときには「空間」全体を考える必要があるのです。

ではどのくらいの高さが理想なのか、面積との関係などもみながら働きやすいオフィスを実現するための天井高について考えてみましょう。

天井高とは床から天井までの高さのこと

天井高とは、床から天井までの高さのことです。

しかし、天井には梁(はり)が出ていることがあるので、どの場所も一定というわけではありません。

また、天井の形は建物の作りによって違うこともあるので、空間全体を見ながら適切な天井高を考えていくことが大切です。

オフィス選びで天井高を考慮する必要性

オフィスを選ぶときに、面積の広さだけでなくなぜ天井高まで考える必要があるのか、それは空間の広さに関わるからです。

そして、空間の広さはそこで働く人の快適さと密接な関わりがあるのです。

天井高が仕事の効率に影響する

同じ面積であっても、天井が低いと人は圧迫感を感じます。

天井から受ける圧迫感によりストレスを感じやすくなり、仕事の効率が落ちるのです。

では天井高は高ければいいかというと、そうでもないのが難しいところです。

高すぎると今度は不安というか、居心地の悪さを感じるんですね。あまりに広い部屋にいると何か落ち着かないということは誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。

そこで働く人の人数、オフィスの面積などに合わせて適した天井高を見つけることが大切です。

閉所恐怖症の人は圧迫感を感じる

天井高が低すぎると、閉所恐怖症を発症する危険もあるのです。

閉所恐怖症とは狭いところが苦手で、狭いところにいるだけで場合によっては体調を崩してしまうことがあります。

天井が低い場所でずっと仕事をしていると気づかぬうちにストレスを溜め込み、それが閉所恐怖症となって現れる場合のあるので、注意が必要なのです。

仕事がしやすいと感じる理想の天井高がある

ではどのくらいの天井高が確保できれば、人は快適だと感じるのでしょうか。

一般的な高さは2500〜2600mm

オフィスの天井の高さはだいたい2500〜2600mmくらいが標準的な高さです。

人によって身長の差はありますが、このくらいあると高すぎず、低すぎず、ちょうど良いと感じられます。日本人は身長が低めなので、2500mmほどあれば十分。

ただ最近は天井が高めに設定される傾向があり、2700〜2800mmくらいの天井も珍しくなくなりました。

OAフロアは床のことも考える

OAフロアの天井はは他の部屋とは少し違った考え方が必要です。というのも、OAフロアの床は、他の部屋の床よりも高く(厚く)なっているからです。

床の下に30〜100mmの空間を作り、そこに配線などを収納するため「上げ底」になるわけです。

床はスッキリしますがその分天井が低くなるので、床の厚みを考慮した天井高を考える必要があるのです。この厚みは配線の量によって変わってきます。

部屋自体がとても広ければ多少天井が低くても圧迫感は感じにくいですが、狭い部屋の場合は注意が必要です。

3000mmを超えると高いと感じる

天井の高さはだんだん高くなる傾向があるので、2800mm以上の天井高もあります。一般的に、3000mmを超えると人は天井が高いと感じます。

天井高は床の面積に応じて高くするのが一般的です。

  • 200㎡未満:2600mmでもOK
  • 200㎡〜1000㎡未満:2600〜2900mm
  • 1000㎡以上:3000mm以上

例えば同じ面積でもそのフロアにいる人数にもよって適切な天井高は変わってきます。

10人程度しかいない部屋と、100人以上いる部屋では、自ずと圧迫感が違ってきますよね。100人も人がいたら、やはり3000mmは必要です。

業種によっても適切な高さがある

どのような仕事をしているかによっても快適だと感じる天井高は違うものです。

例えば、企画やアイデア出しをしなければいけないような、クリエイティブな仕事では天井高が高めの方が開放感があって仕事がしやすいでしょう。

少人数でアットホームな雰囲気で働いているオフィスでは、無駄に天井高が高いとなんだか落ち着きがなくなってしまいます。その場合は、一般的な高さで十分です。

どのような人がどのような仕事をしているかによっても、天井高は変わってくるのです。

リフレッシュルームなどは低いほうがいい場合も

クリエイティブな仕事で頭を使いたい!という時には天井が高い方がいいですが、休みたいときは逆になります。

気持ちをリラックス&リフレッシュさせたいときや、トイレなどのプライベートスペースは天井が低めの方がかえって落ち着くものです。

一人になって落ち着きたいときなどは、「囲まれている感」があった方がなんだかホッとしませんか。

ですから、その場所の用途によっても天井高は違った方がいいんですね。

空調のコストも考えよう

意外と見落としがちなのが、空調のコストです。

天井が高い方がおしゃれでなんだかクリエイティブでいい!と高くしてみたものの、空調の効率が悪くなってエアコン代がかさんでしまう、という落とし穴があるのです。

天井高を高くした場合はそれだけ空間が広がるので、その広さに合わせた空気の循環が必要になるということを覚えておいてください。

移転してから気がついた!低い天井高を克服するには

もしも移転してから天井が低いということに気がついた場合、今更天井の工事をするわけにもいきません。

その場合、少しでも天井高を高く見せる工夫をしてみましょう。

天井の色を変える

一番手っ取り早いのは、天井の色を白くすることです。もしくは白に近い明るい色にしてみてください。

明るい色にすると奥行きを感じることができるので、100mmくらいは高く見せることが可能です。

色を変えるだけで低い天井でも圧迫感を感じることがなくなります。

逆に、天井が高くても黒っぽい色だと100〜200mm程度低く感じると言われています。

天井高を高くする工事は大変ですが、パネルの色を変えるだけならコストも抑えられるし、それほど大変な工事にはならないでしょう。

床の色も明るくする

同時に、床の色も明るくしてみましょう。

オフィスのカーペットや床はグレーなどの落ち着いた色味が多いと思いますが、あえて白っぽい色にしてみます。

天井と床、ついでに壁も全て明るい色にすれば、空間全体が広く感じられるようになり、天井が低くても気にならなくなるでしょう。

より良い仕事をするために適切な天井高が大事!

狭いところに押し込められているような感じがすると、仕事の能率も上がらなくなるでしょう。

普段見上げることはあまりないとしても、人は「空間」を肌で感じているので、天井高は思いの外大事なポイントなのです。

これからオフィスを選ぶなら、図面上の面積だけでなく、実際に足を運んで天井の高さをどう感じるか、という点もチェックする必要があるでしょう。

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