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移転・引っ越し

オフィス移転の補助金を有効活用し移転費用を抑える方法と注意点

オフィスの移転には多額のお金がかかりますから、少しでも抑えたいものです。オフィスを移転する際には、補助金を受給できることをご存知でしょうか?

少しでも移転費用の足しになれば助かりますよね。どうすれば補助金を受給できるのか、条件などについて詳しくご紹介します。

合わせて、注意すべきポイントについてもお話しするので、移転を計画している方は是非参考にしてください。

オフィス移転でもらえる可能性のある補助金

国や各自治体が支給している補助金、助成金など、オフィス移転で活用できそうなものをご紹介します。

ものづくり補助金

ものづくり補助金はその名の通り、ものづくりをしている中小企業や小規模な会社のオーナー向けの補助金制度で、中小企業庁が実施しています。

毎年公募要領が発表されているので、新しい内容をきちんと確認する必要があります。

この要領に沿って申請書を準備して、地域事務局というところに提出し、審査を受ける形になります。

商品、サービスなど何らかのものを作っていることがまず条件になります。

  • 革新的ものづくり開発支援
  • 高度生産性向上支援

という条件があります。

デザイン開発、情報処理など12の分野の技術が決められているのですが、その中で独自の技術だとか画期的な製品を開発していること、と考えてください。

そして、企業の規模にも制限があります。

  • ゴム製品製造業(タイヤ、チューブ、工業用ベルトなどを除く):資本金1億円以下、従業員900人以下
  • その他製造業:資本金3億円以下、従業員300人以下

あくまで中小企業が対象だということですね。

地域創造的起業補助金

創業補助金と呼ばれていた補助金ですが、平成30年からこの名称に変更されました。

あくまでも創業に関わる経費の一部を助成してもらうものなので、これから事業を起こそうとする人に限られる補助金ですが、新たにオフィスを構えるならば心強い補助金です。

ただし、産業競争力強化法という法律に基づいて認定されている市区町村でないと対象にならないので、日本全国で受けられるものではないというところに注意が必要です。

事業継承補助金

これは、事業を継承するにあたって事業の転換などを行う中小企業に支給される補助金です。

単なる継承、代替わりではなくて、経営革新や事業の転換などの新たな取り組みが必要となります。

もし自分が事業を引き継ぐタイミングで、何か新たなことをやってみたいと思っているならチャンスかもしれません。

申請できるかも?自治体の行う補助金

上記でご紹介したのは中小企業庁、つまり国が行なっている補助金制度ですが、各自治体でも独自の取り組みがあります。

例えば東京都。創業助成事業として、創業予定者だけでなく創業から間もない経営者に対しても補助金を支給します。補助金額は300万円までです。

また秋田県では、秋田県内に本社機能を移転する企業に対し、移転費用の他に人件費や従業員の移転費用なども補助してくれる制度があります。4000万円が上限です。

各自治体でも様々な補助金があるので、会社の所在地の制度を調べてみてください。

LED導入の補助金

オフィスの移転と同時に照明器具をLEDに変えた場合は、補助金が受け取れる場合があります。

企業の規模だとかどういった照明を導入したのかによっても条件が変わってくるので、経済産業省および各自治体の補助金制度を確認してみてください。

補助金を申請するときの注意ポイント

補助金をもれなく受給するためには、どのようなことに注意をすれば良いのでしょうか。

書類の準備を計画的に

役所の仕事は融通が利きません。

応募が始まってから申請できる期間というのが非常に短いことが多く、その期間内に必要書類が提出できなければ当然申請が認められません。

準備するには時間がかかるものもありますから、小まめな情報収集をして受付期間をしっかりと確認することがとても大切です。

そして計画的に書類を準備して、もれなく申請できるようにしてください。

本当に必要か?ということも考える

確かに補助金をもらえたら得にはなります。ただ、申請書類の準備に多大な労力がかかり、本来の業務ができなくなってしまうのでは本末転倒です。

お金がもらえると聞いたらなんでも申請したくなってしまうところですが、費用対効果も考えてみてください。

その労力に見合うだけの補助金がもらえるのか、本当に我が社にとって必要な補助金なのかということを見極めて申請するようにしましょう。

必ずもらえるものではないし、すぐにはもらえない

補助金は申請すれば誰でももらえるものではありません。申請したけれどダメだった、ということも多々あります。

あまり補助金をあてにしすぎると、後で困ることになるかもしれません。

また、補助金は基本的に後払いですから、オフィスの移転をする前にもらえるものではありません。

審査に通ってすぐにもらえるのではなくて、申請をした事業をきちんと実施することでもらえるお金なので、受給はかなり後になります。

課税対象になります

補助金は収入ですから、法人税の課税対象となります。

金額が大きいほど税金も上がる可能性があるので、納税のタイミングなども考えて申請することが大切です。

消費税分の返還が必要になる

補助金は課税対象ではありますが、何かを売ったことによる利益ではないため、消費税がかかりません。

これを不課税取引といいます。会計上の仕訳としては「雑収入」になります。

  • 法人税:課税
  • 消費税:不課税

ということですね。

私たち消費者はあちこちで消費税を払っていますけれど、事業者が生産や流通の過程で何重にも課税されないように、確定申告の時に課税売上に対する消費税から課税仕入れにかかった消費税を引くことができるようになっています。これを仕入税額控除といいます。

補助金の対象となった事業について課税仕入れを行なったけれど、確定申告の時に仕入税額控除をした場合、事業者は仕入れに関わる消費税を負担していないことになるため、消費税の還付が受けられます。

しかし補助金を交付した側から見ると、その事業については補助金も出しているし、消費税も還付している。

そうなると、二重にお金を出していることになるので、仕入税額のうち補助金に該当する部分については、返還を求めることとしています。

これは、仕入税額控除した消費税額にかかる補助金相当額が確定したら自治体に報告をすることになっています。

補助金と助成金の違いも押さえておこう

補助金と助成金、どちらも事業を支える大事なお金ですが、原則として返済は不要で大きな違いはありません。

違いがあるとすると、

  • 補助金:一定期間に申請をして認められたものだけが受給できる
  • 助成金:一定の条件を満たしていればもらえる

つまり、補助金は審査があるので申請してももらえない可能性がありますが、助成金は条件さえ満たしていれば基本的に受給が可能なので、複数受け取ることも可能です。

受け取っていない補助金があれば申請してみよう!

書類を準備するのは少々手間がかかりますが、もし移転に際して少しでも費用を抑えることができるなら、条件を確認して申請してみましょう。

融資とは違って返済する必要のないお金なので、事業の助けになるかもしれません。

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